退職金積立ナビ(公務員版)

公務員の退職金活用:趣味、旅行、学び直し…セカンドライフを彩る資金の考え方

Tags: 退職金, 公務員, 資金計画, セカンドライフ, 資産管理

長年のご公務、誠にお疲れ様でした。退職金を受け取られ、ほっとされるとともに、今後の生活やお金の使い方について、様々な思いを巡らせていることと存じます。特に、これまで仕事に忙しく、なかなか時間を取れなかった趣味や旅行、あるいは新しい学びなど、セカンドライフをより豊かにするための計画を温めている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

退職金は、長年の勤労に対する大切な財産です。このまとまった資金を、退職後の「やりたいこと」の実現に賢く活用するためには、どのような考え方で資金計画を立てれば良いのでしょうか。本記事では、公務員の方々が、退職金を使ってセカンドライフを彩るための資金の考え方について、分かりやすく解説します。

セカンドライフを彩る、退職金で叶える「やりたいこと」とは

退職後の時間は、ご自身の興味や関心に改めて向き合える貴重な機会です。セカンドライフを充実させる「やりたいこと」として、例えば以下のようなことが挙げられます。

これらは、退職金があるからこそ、より具体的に計画しやすくなる「人生を豊かにする選択肢」と言えるでしょう。

退職金で「やりたいこと」を叶えるための資金計画の第一歩

退職金というまとまった資金を、安心して「やりたいこと」に使うためには、やみくもに使い始めるのではなく、まずは全体の資金計画を立てることが重要です。

1. 全体の資金像を把握する

まずは、退職後のご自身の資金全体像を正確に把握しましょう。

これらの情報を整理することで、退職後のご自身の経済状況を客観的に把握する出発点となります。

2. 最優先すべき「守りの資金」を確保する

次に、把握した全体の資金の中から、退職後の生活を安心して送るために「優先的に確保しておくべき資金(守りの資金)」を明確にしましょう。

これらの「守りの資金」は、将来の不安を軽減し、日々の生活に安心感をもたらすために非常に重要です。まずはこれらの資金をしっかりと確保することを最優先に考えましょう。

「やりたいこと」のための「攻めの資金」を予算化する

「守りの資金」を十分に確保できた上で、残りの資金の中から「セカンドライフを彩るための資金(攻めの資金)」をどのくらい捻出し、どのように使うかを具体的に計画します。

1. 使える上限額を考える

確保した「守りの資金」と、今後受け取る年金やその他の収入、そして将来的に運用に回す資金などを考慮した上で、「趣味や旅行などに使える資金はどのくらいか」という上限額を考えます。これは、退職金総額から「守りの資金」や「運用に回す資金」などを差し引いた残りの一部、という考え方になります。

2. 具体的な「やりたいこと」と予算を紐付ける

上限額が見えてきたら、具体的にやりたいこと(旅行、趣味、学びなど)に必要な費用を見積もり、予算を立てていきます。

のように、できるだけ具体的に書き出してみましょう。

3. 他の収入とのバランスを考える

退職後の資金は、退職金だけではありません。公的年金、再任用などによる収入、iDeCoやNISAからの受取金なども、セカンドライフの資金源となります。計画している「やりたいこと」の費用を、退職金の一部から捻出するのか、あるいは毎月の収入や運用益から賄っていくのかなど、他の資金源とのバランスを考慮しながら予算を検討することが大切です。

例えば、比較的大きな出費(旅行、高額な習い事など)は退職金の一部から、毎月の継続的な費用(趣味の会費など)は月々の収入や運用益から、といったように使い分けを考えることも有効です。

資金計画を実行・見直しする上での注意点

退職金を使ったセカンドライフの資金計画は、一度立てたら終わりではありません。以下の点にも留意しながら進めましょう。

まとめ

公務員の退職金は、長年の努力が実を結んだ大切な資産です。この資金を、「守り」にしっかりと使いつつ、セカンドライフをより豊かにするための「やりたいこと」に計画的に「攻め」の姿勢で活用することは、人生後半の満足度を高めることにつながります。

まずはご自身の資金全体像を把握し、「守りの資金」を確保した上で、無理のない範囲で「やりたいこと」のための予算を立ててみましょう。この記事が、退職金を使った安心で充実したセカンドライフの実現に向けた、賢い資金計画の第一歩となることを願っております。